こんにちは、機械式駐車場のメンテナンス現場歴10年の管理人サッシです。
今年の冬、首都圏では数年ぶりに積雪がありましたね。今回は雪積もった時、機械式駐車場の現場では何が起こるのかを伝えようと思います。
この記事は、以下の条件に当てはまるマンションの理事・管理会社担当者・ビルオーナー様に向けて書いています。
設備: 積雪なんて数年に一度のエリアで「屋外・パズル式(昇降横行式)」
状況: 「雪の日のマニュアル」なんて存在しない
悩み: 「仕事が忙しくて、資料を作っている暇なんてない」「大きな事故で故障したら、これ以上修繕費用を払うのが厳しい」
もし、これに当てはまるなら、一読してみて下さい。
数年に一度の大雪が降るたびに、マンションの理事や管理会社担当者、ビルオーナーの皆様は、機械式駐車場のトラブルに頭を悩ませているのではないでしょうか。
「うちの駐車場は大丈夫だろうか?」
「もし壊れたら、また高額な修繕費がかかるのか…」
そんな漠然とした不安を抱えているあなたに、今回は現場のリアルをお伝えします。
そう思われるかもしれませんが、特に「屋外パズル式(昇降横行式)」の駐車場は、
雪に対して最悪の相性です。
想像してみてください。凍りついた鉄板の上を、重たい鉄の塊が走ろうとする状態を。
当然、スリップします。踏み固められた雪は、車の重みで圧縮され「氷の板」へと変わります。
こうなると、車とパレットを乗せた鉄のローラーが正常に横行するのは不可能になります。
先日の雪の日も私が現場で、スリップしたローラーがエラーで停止し、融雪まで使用休止となるケースを何度も見てきました。
「エラーが出ない」という、さらなる恐怖
雪の日の機械式駐車場で、最も恐ろしいのは「エラーが出ずに動いてしまうこと」です。
「雪が積もってるけど、エラーも出なかったしゲートが開いたから大丈夫だ」
普段通りの動きをしているように見えたら、安心しますよね?
先日、私が立ち会った現場では、リミットスイッチの誤作動により、パレットが地面から10cmも浮いた状態で「着床完了」と判断されてしまいました。エラー表示は一切ありません。機械にとっては「正常」だからです。
リミットスイッチについて詳細を書いた記事はこちら👇
何も知らない利用者が車を出そうとした瞬間、「ガタンッ!!」と車は10cmの段差から飛び降りるように落下。バンパーが地面に叩きつけられ、車体下部がパレットの角に削られる音が響きました。
幸い、この時は大事に至りませんでしたが、もしこれが「上限側」で起きていたらどうなるでしょうか。
機械は本来より早く「上にいる」と誤認し、下のパレットが容赦なく動き出す。まだ上がりきっていない上のパレットと接触すれば、下段パレット入庫車の屋根が押し潰されたり、横行パレット入庫車のガラスが割れたり、最悪の場合、チェーンやワイヤーが破断する大事故につながります。
こうなると修理は単体部品交換では済みません。駆動系部品の総点検、部品全交換、使用休止に伴う代替駐車場費用など、復旧まで数週間、費用は数百万円規模に膨れ上がります。
本当に怖いのは「修繕費」だけではない
数百万円の修繕費も痛いですが、本当に怖いのは、その後に降りかかる「見えないコスト」です。
事故の翌日、車を出せなかった住民や車を傷つけられた住民から、管理員や理事長あてに「なぜ事前に止めなかったんですか?」という多くのクレームが殺到します。理事会では「雪予報は出ていましたよね?」と責任問題が問われ、管理会社と理事会の間で責任の所在が曖昧なまま、議事録に「管理体制の見直しが必要」と記載される事態に発展しかねません。
「判断が曖昧だった」という事実だけが残り、理事会の空気は凍りつきます。この「理事会の空気が凍る」ことこそが、数百万円の修理費よりも長く尾を引く、本当の恐怖なのです。
雪が降ってからでは、もう遅い
雪が積もってからできることは、残念ながら「諦めること」だけです。
現場で利用者の方とお話ししていると、皆様の「焦り」が痛いほど伝わってきます。雪が降ると交通網が麻痺し、唯一の移動手段として「自分の車」を使いたい。仕事に行かなければならない、子供の送り迎えがある。だから、雪が積もっていても操作ボタンを押してしまう。
その気持ちは痛いほど分かります。しかし、心を鬼にして言わせてください。
「雪が積もってしまったら、もうどうしようもないんです」
雪の対策がされていない機械式駐車場には、一度積もった雪に抗う術がありません。どんなに優秀な機械も、現場作業員の技術も、自然の力の前では無力です。
現場のプロが教える、たった一つの決定的な対策
では、どうすればこの最悪の事態を避けられるのでしょうか? 唯一の解決策は、雪が降る「前日」に、住民へ『正しい警告と行動指示』を出しておくことです。
とはいえ、「そんな資料を今から作る暇はない!」という方がほとんどだと思います。
そこで、現場のリアルを知り尽くした私が、ダウンロードして印刷するだけで即使える「雪害対策・事前告知キット」を作成しました。
これさえあれば、あなたはもう雪予報に怯える必要はありません。たった10分で対策を完了させ、理事会での責任問題から解放されます。
▼忙しい管理者のための「即席・雪害対策キット」はこちら
事前の準備で、あなたのマンションを「事故が起きないマンション」に変えましょう。
【ちょっと余談】管理員さんの「腰」を守る8,000円の投資
機械式駐車場自体は「封鎖」するのが正解ですが、マンションのエントランスや駐車場の車路(平置き部分)の雪かきは避けられませんよね。
雪の日の朝、高齢の管理員さんが数百円のプラスチックのスコップで、広い敷地を何時間も雪かきしている姿を見かけます。あれ、本当に腰を壊すんです。
私が色々なマンションを回っていて「おっ、ここの管理組合は現場(管理員)を大切にしてるな」と思うのは、管理室に「タイヤ付きの手押し式スノーダンプ」が置いてある物件です。
これです。
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持ち上げる必要がなく、ベビーカーのように押すだけで雪をどかせるので、体への負担が全く違います。腰痛で管理員さんが辞めてしまうリスク(新しい人を探す採用コスト)を考えれば、管理費から8,000円弱出してこれを1台常備しておくのは、非常に賢い投資です。
もしウチのマンションの備品が「普通のスコップ」しかないなら、本格的な雪シーズンが来る前に、理事会でポチっておくことを強くお勧めします。(雪の日のホームセンターには絶対に売っていません)
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