【悲報】「車検証サイズ内」でも入庫不可?現役メンテ職人が教える、機械式駐車場と“大きい車”の残酷な現実

諸元内なのに 仕事 × AI

はじめに

​「家族が増えたから、思い切ってファミリーワゴンに乗り換えよう」

「憧れの大型SUV、やっと納車だ」

​新しい車を迎えるワクワク感、最高ですよね。

しかし、もしあなたの自宅が「機械式駐車場」であるなら、契約書にサインをする前に少しだけ私の話を聞いてください。

​この記事は、以下のような方に向けた、現場からの「ささやかなアドバイス」です。

  • ​現在、機械式駐車場を利用している人
  • ​これから「今より大きい車」への買い替えを検討している人
  • ​カタログのサイズ(諸元寸法)を見て「ギリギリ入るから大丈夫」と思っている人

これらに当てはまらない人向けに「維持費で悩む管理組合必読記事」も確認してみてください!

【現場の告白】なぜ、機械式駐車場は「やめ時」を見失うのか? 修理見積もりが招く構造的な罠

 

​結論から言います。

「車検証のサイズ内だから大丈夫」という考え方は、

機械式駐車場の現場では一番トラブルになりやすいパターンです。

​私は10年以上、メンテナンスの現場で「数字上は入るはずなのに、使い始めて詰んだ」という事例を見てきました。

​「買うな」とは言いません。

ただ、「限界ギリギリサイズの車」を買うことのリスクと、現場で起きているリアルを知っておいてほしいのです。これを知らないと、納車当日に冷や汗をかくことになります。

​1. 「諸元寸法内=安心」というは半分正解

​諸元寸法=収容可能寸法はその通りです!後述しますが、パレットには入庫車両に対して余白が設けられているので、ギリギリサイズでも基本的には入庫は可能です。

それを踏まえて、

「パレットの収容可能サイズが全長5000mm。俺の車は4995mm。5mm余裕があるから大丈夫でしょ!」

この場合ですが、​現場の人間からすると、これは「安心できないライン」です。もし、購入前に相談されたらおすすめしないラインです。

​なぜなら、機械式駐車場は駐車場自体が動くからです。

駐車場が動けば、上に乗せている車も僅ながらに前後左右に動いてしまう。

なので、本来は車検証やカタログに載っている「諸元寸法」に合わせて、機械式駐車場の「入庫可能寸法」には、書かれていない「動き出し(地切り)分の余白」の数字を考慮しなくてはならないんです。

​チェーンやワイヤーで吊られたパレットは、上昇・横行する際に必ず揺れます。

屋外なら風の影響も受けます。

この「動いた瞬間」の揺れ幅まで計算に入れていますか? というのが現場の視点です。

仮に、​「5mmの余裕」があっても、機械が動き出した瞬間の揺れで、その隙間など一瞬でなくなり、センサー検知による緊急停止を招きます。

​2. 幅よりも怖い?実は一番多い「ギリギリ全長のトラブル」

​大きい車というと「車幅(全幅)」を気にする方が多いですが、現場で最も緊急出動が多く、かつ利用者が困惑するのは「全長(長さ)」のトラブルです。

​「停めた時は大丈夫」の罠

​これが本当に多いのですが、

「停めた時は枠内に収まっていた。でも、次の利用者が操作盤で操作したらエラーで止まった」

というケース。

​原因の多くは、移動中の「揺れ」によるセンサー感知です。

静止状態ではセンサーの光をかわしていても、装置が動き出し、パレットが揺れた瞬間に、車体の先端や後端がセンサーを遮ってしまうのです。

​機械からすれば「危ない!異物(車)がはみ出した!」と判断して緊急停止します。正常な安全動作です。

でも、利用者様からすれば「ちゃんと停めて、エラーにもなっていないのに、車がはみ出してるってどういう事だ!!」となります。

​こうなると、我々メンテナンス員が到着して復旧するまで、車は出せません。

出勤前や急いでいる時にこれが起きると、本当に悲劇です。

​3. 幅ギリギリは「入る」と「使える」が別物

​次に「全幅(幅)」の話です。

物理的に「入る」ことと、毎日ストレスなく「使える」ことは別物です。

​左右にほんの僅かしか隙間がない状態で、タイヤを擦らず毎回完璧に駐車できますか?

雨の日の夜、疲れて帰ってきて、ハンドルを何回も切り返して……。

少しでもズレれば、大切な愛車のホイールに傷が付くかもしれないストレス。

​現場で見ていても、何度も何度も切り返して苦労されている姿は、正直「不憫」に思うことがあります。

​タワー式駐車場の「隠れトラップ」

車幅ギリギリ状態で​特に注意してほしいのが、タワー式やエレベーター式パーキング式です。

これらの装置(特に一部の旧式や特定メーカーの機種)には、パレット側面に「ドアプロテクター」などの可動部品がついていることが多いです。

​幅がパツパツの車を入れると、タイヤがパレットの縁を押し出して、この部品の動きを阻害してしまい、次の利用者が操作したタイミングでエラーが出て動かなくなる事例があります。

​カタログ数値上は入っていても、少しでも斜めに停めるとエラーになる。

これも結局は作業員が到着するのを待って、エラー解除後に真っ直ぐ停め直す必要があります。

幅以外に全長に関しても同じく、タワー式はセンサーの数も多いため、ピット式やパズル式よりも判定がシビアです。

​4. 「どうしてもこの車に乗りたい」場合の現実的な対処

​ここまで読んで、「うわ、ウチの駐車場だと怪しいかも……」と思った方。

でも、どうしてもその車に乗りたいですよね。家族会議も済んでいるし、何より欲しい車を諦めるのは辛いものです。

​現場からの提案は2つです。

①ディーラーにお願いして「テスト入庫」をする(必須)

​これは「やれたらやる」ではなく「必須」です。

契約前に、試乗車を借りて自宅の駐車場に入れてみてください。

「入るか」だけでなく、「パレットの縁に対して車体、タイヤに余白が有るか」可能ならセンサーの位置を確認して、直線上に「車体がはみ出していないか」「センサーが鳴らないか」を確認すること。

これでNGなら、その駐車場は諦めた方が無難です。

​② 「外に借りる」という損切り

​もし機械式に入らない、あるいは「入るけど毎回数分の切り返しストレスがある」と分かった場合。

​「せっかくマンションに駐車場があるのに……」と思う気持ちは分かりますが、「駐車場を外に変える」というのは、負けではなく「賢い損切り」です。

​無理をして機械式に入れ、ホイールを傷つけたり、朝の急いでいる時に緊急停止で車が出せなくなるリスクを抱え続けるくらいなら、月数千円の差額で「快適な平置き」を確保する。

これは精神衛生上、そして何より数百万円の愛車を守るための「必要経費」です。

​機械式駐車場と相性の悪い車は、物理的に存在します。

「いざという時の第2選択肢(近隣の平置き駐車場)」があるか、相場はいくらか。

それを知っておくだけでも、納車当日に「入らない!」と絶望するリスクは回避できます。

👇平置き駐車場の空き状況だけでもチェックしておくのがベストです。

👇借りていていた車室の貸し出しをしている現場もあります。『貸し出す際は必ず管理組合への相談が必要でので要注意!』

​今は契約しなくて構いません。「逃げ道の有無」という事実だけ確認しておいてください。

​まとめ

​機械式駐車場は、非常にデリケートな設備です。

「カタログ数値」だけで判断せず、「実用上の余裕」を持って車選びをしてください。

​それでも、万が一トラブルが起きてしまった時。

あるいは、「センサーが鳴って動かないけど、どうすればいいの?」という時。

​実は、電話での「伝え方」ひとつで、我々作業員が「今すぐ行くべき緊急案件」と判断するか、「ご自身で解決出来る案件」と判断するかが変わります。

同じ故障でも、復旧までのスピードが天と地ほど違うのです。

現場の作業員が、「どういう情報をくれれば最速で復旧に繋るか」という「トラブル発生時の正しい伝え方」については、また別の機会にお話しします。

​ギリギリを攻めるなら、リスクを知った上で。

あなたのカーライフが「入庫不可」で始まらないことを祈っています。

👇画像に記事をまとめました。

記事まとめ

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